K18シェルカメオ枠ロウ付け完了

ロウ付け箇所が外れています

K18イエローゴールドのシェルカメオ枠が壊れたので、修理のご依頼を頂きました。

K18シェルカメオ枠ロウ付け

まずはブローチ枠に嵌まっているシェルカメオを枠から外します。
そのままK18地金に火を当ててロウ付けすると、シェルが焼けてしまうからです。焼き蛤や焼き牡蠣の殻のようになってしまいます。

爪が折れることもなく、シェルカメオを無事にきれいに枠から外すことができました。

爪のロウ付けも無事に済み、次はブローチ金具が付いている台座をカメオ枠にロウ付けします。

このロウ付け位置はとても大事で、少しでもズレるとシェルカメオがゴールド枠にはまらなくなります。
無理矢理にはめると、使用中にもいつもどこかに力がかかり、そのうちにシェルの一部分が欠けるようなことも起こり得ます。

慎重にロウ付け位置を決めて、そこからズレないように慎重にロウ付けします。

全体の爪をロウ付けしたことは、実は、地金内部のストレスを解消したことと、爪の補強をしたことの二重の意味があります。

枠の内部にストレスが溜まっているときは、昇温で地金が伸びてロウ付けしたい位置がズレていき、なかなかうまくできないことも多いのです。

その個所が頑丈になるように、外側と内側もロウ付けしました。

このあとは酸洗いをし、酸化皮膜を取り去ってきれいにし、磨き工程に入ります。

機械で磨くときは、1秒間に50回転ぐらいしている布で磨きます。
布の繊維に絡め取られると、振り回されたあげくに研磨機のあちこちに衝突して枠がグジャグジャになります。
そうならないように特に慎重に磨きます。

K18シェルカメオ枠メンテナンス

K18ゴールド枠の下磨きが完了。

シェルカメオを注意深くはめ込み、爪をそーっと曲げて倒して4本ともシェルと接触させてカメオが動かないように固定しました。

ことあとは、シェルや枠に力を加えないで、軽〜く布バフを当てて仕上げ磨きをいたしました。

ジュエリー メンテナンス / 岡田彫金工房